和歌山電鐵
社長 小嶋光信
世界の「猫ブーム」の原点になった「たま駅長」はじめニタマ、よんたま両駅長を記念した「走るミュージアム電車」がコロナ禍を乗り越えてのデビューです。
「ななつ星in九州」をはじめ全国に数多くの名電車を生み出している水戸岡鋭治さんの手になる「たま電車ミュージアム号」が12月2日(木)お披露目され、寄付をしていただいたサポーターの皆さんから抽選で選ばれた方々の試乗会を3日(金)に行い、12月4日(土)からいよいよ運行が開始されます。
「おもちゃ電車」を全面リニューアルして登場した「たま電車ミュージアム号」は「走るミュージアム」に相応しく、777ものたま駅長はじめニタマとよんたま両駅長の可愛らしいイラストやオブジェが車両の内外に舞い踊っています。ある時はフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」や「モナリザ」になったたまちゃんや、オリンピック選手になった猫駅長たちなど、電車の内外の壁面や天井や床まで色々なテーマの楽しい猫駅長たちが一杯で、全部見るだけでも数時間はかかりそうな楽しいものばかりです。
また猫足の椅子や備前家具の匠たちのや、水戸岡さんの電車には欠かすことのできいない九州艤装の手による電車ファニチャーの出来映えも見事です。
今回の電車開発のエピソードは、水戸岡さんにこの電車にしかない「たま駅長」の騙し絵で、動きを作って欲しいと依頼したところ、騙し絵より「カラクリ」が相応しいということになりました。
そこで本邦初演であり世界でも初めての試みはカラクリの第一人者の高橋みのるさんの手による「木」と「メカニズム」と「遊び心」の動きの世界を車内でほのぼのとする楽しいサプライズとして経験出来るでしょう。
この電車の楽しみは一回乗ったらまた乗りたくなるような、まさに「たま駅長」を代表とする猫駅長たちの競演です。
百聞は一見にしかずでみていただいたら思わずあっと息を呑む迫力と、乗り込めば思わず「オー!」と小躍りしてワクワクするインテリアとたま駅長たちのミュージアムをお楽しみください。
車体の色はコロナ禍で苦しむ地方鉄道を黒字にしたいという思いで漆黒としました。
この素晴らしい電車が普通運賃で乗れるのが皆さんへの最大のご恩返しです。時間がいくらあっても足りないので是非記念一日乗車券でゆっくり心ゆくまでお楽しみください。また特別列車も予定していますので乞うご期待です。
「貴志川線の未来をつくる会」や全国の1700件を超すサポーターの皆さんの暖かいご寄付と、今日お祝いにご臨席いただいている仁坂和歌山県知事、尾花和歌山市長と中村紀の川市長はじめ国、県、両市の行政の皆さん心のこもったご支援でできたこの「たま電車ミュージアム号」で、コロナ禍を吹き飛ばして地域の足の確保と地域の発展を醸し出したいと思います。