和歌山電鐵 社長 小嶋 光信
ウルトラ駅長たまちゃんは4月29日に16歳のお誕生日を迎え、人間年齢では80歳で傘寿のお祝いです。
記念のお祝いを何にしようかと大いに考えて、長寿のお祝いに相応しい桃の木を「たまMOMO」と命名して植樹することにしました。
実は和歌山電鐵を再生するキッカケの一つが、岡山電気軌道の水戸岡デザインによる次世代LRT「MOMO」が全国的に有名になったことでした。また今回紀の川市の中村市長から寄贈いただいた桃の木は「清水白桃」という岡山から移入されたもので、まさに岡山と和歌山の縁を感じる苗木です。
たま駅長が登場したことで、その愛らしさと凛々しさ溢れる仕事ぶりが世間の共感を呼び、地域鉄道が大いに見直されるきっかけになりました。和歌山電鐵には国内外から多くのファンが訪れるようになり、貴志川線の再生のみならず和歌山県の観光面に大いに寄与してくれました。
みんなたまちゃんが可愛いいし、元祖ねこ駅長でマスコットだから人気があると思っているでしょうが、それでは世界の人の心をつかめません。たま駅長は正式な社員であり、就任時朝9時から夕方5時まで改札台に乗って、お客様のお見送りやお出迎えをし、電車のいないときはプラットホームの見回りをしている健気な仕事ぶりがテレビやインターネットで世界の人も知ることになり、一気に人気が出たのです。これにはたまちゃんの育ての親である、住友のお母さんの献身的な努力が背景にあると感謝しています。勿論「貴志川線の未来を“つくる”会」の皆さんや、行政の皆さんの応援あっての賜物です。
今後とも植樹した「たまMOMO」が大きな白桃を実につけて、大きな木に育つように、大いに健康に気をつけて「招き猫ぶり」を発揮し続けていただくことをみんな熱望しています。心からの愛と敬意を込めて、傘寿のお誕生日に感謝の意を表します。
平成27年4月29日
追伸:式典中たまちゃんは鼻炎のためか、元気が少し無くて心配しましたが、お医者さんに診てもらったら健康上の問題は無く、本人も安心したのか、昨夜は食事もとって元気に家の中を走っていたそうで、ご安心ください。