和歌山電鐵・鉄道施設が国指定登録有形文化財に-
和歌電が鉄道施設の活きる博物館に –

和歌山電鐵 社長 小嶋 光信

大正5年、大橋-山東(現:伊太祈曽駅)間に山東軽便電鉄として開設以来、現在まで現役で使用している検査場やプラットフォーム、鋼製橋梁など5件が国の登録有形文化財に指定されました。

和歌山県、和歌山市、紀の川市の文化財に携わる皆さんはじめ、行政の皆さんのバックアップのお陰であり、心から感謝します。

今回の登録は、和歌山電鐵が沿線の近代史を物語る重要な土木遺産であり、保存状態も比較的良好で歴史的価値が高いということが評価されたものです。

伊太祈曽駅の検査場は、大正5年に完成した中央部と後から増築された建物からなり、屋根は木造トラスで支えられ、整然と並んだ28連の木造トラストは壮観です。

伊太祈曽駅プラットフォームと上屋は、開業当時の石積みの姿を良く残しているし、上屋も戦前に中古レールを骨組みにしたままで建っています。

大池第一、第二橋梁は、昭和8年に大池にかけられた我が電鉄の代表的な鋼製橋梁で、Ⅰビームという単純桁橋です。桜の季節の撮影ポイントとして最も人気がある橋です。

西第二橋梁は、桁に英国製鋼材が使われていて、交通公園駅に隣接する農業用水路に架かる大正5年建設の単純桁橋です。

大正、昭和時代の土木遺産を数多く残し、『三丁目の夕日』のような風情を残した貴志川線は、レトロなロマン漂う「地方鉄道施設の活きる博物館」であり、市民の皆さんの誇りであるばかりでなく、鉄道マニアの垂涎の的で、観光スポットとしても重みのある華を添えていただいたと思っています。

今回の登録を記念して、7月17日、たまウルトラ総駅長とニタマスーパー駅長も誇らしげにご来賓の皆さんと除幕式をしました。たまウルトラ総駅長も暑いのに負けずに頑張りましたし、ニタマスーパー駅長は、ライオンキングのような涼しげな夏バージョン姿で、たまウルトラ総駅長に叱られながら、頑張っていました。

また、和歌山電鐵の再建に初めから携わって下さった大橋和歌山市長にとっては、3期12年の締めくくりとなるような和歌山電鐵の公式行事になったので、たまウルトラ総駅長とニタマスーパー駅長から鰹節の花束と感謝状をお贈りしました。

猛暑の中、誠に清々しさに溢れた夏の行事でした。

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