たま駅長ついに社長代理に昇進!

和歌山電鐵 社長 小嶋 光信

就任6周年を迎えて、たま駅長の猫年齢での永年勤続のみならず、その間の功績を賞賛して、社長代理に任命することにしました。私はたま駅長の猫年齢を推定する時には、小山商店の奥様が愛娘として大事に育てられていること、一般より若く人間年齢一才を猫年齢5年と思われていることを考慮しており、就任6周年は勤続30年ということになります。

勤続30年でついにナンバー2に昇進です。もしたま駅長が人間なら、私は迷わず社長に推挙しているでしょう。

今日は辞令と社長代理の名鑑、社長代理印とネームプレートを授与しました。
たま駅長は、貴志駅における駅長業務に止まらず、和歌山電鐵全体のイメージアップと客招きに貢献しました。お蔭様で再建当初は年間192万人だった乗客を、215万人に増加させ、「貴志川線の未来をつくる会」をはじめ、市民の皆さんと行政の皆さん方の応援に相まって、素晴らしい効果を発揮しました。むしろ驚異的と言っても良いでしょう。

その愛らしい仕事ぶりは、和歌山県にのみならず、全国に、アジア諸国やアメリカ、ヨーロッパにまでとどろき、ヨーロッパでの映画主演や海外各地のメディアに取り上げられて、多くの海外旅行者を和歌山電鐵と和歌山県、和歌山市、紀の川市に招くことに貢献しました。

関西大学の宮本教授は、2008年にたま駅長の和歌山県に対する経済効果を11億円と査定していますが、現在はそれをはるかに超えていると思われます。

7~8年前には、地方鉄道の存続へのあり方が問われ、92ある地方鉄道のうち約70社は潰れるのではないかと思われていましたが、和歌山電鐵再建のスキームである公設民営の効果の認識が行政で生まれ、たま駅長をシンボルとした地方鉄道へ国民の目が向かったこともあり、鉄道部門において、公有民営による事業存続のあり方が国家的に構築される道を拓きました。

そして、たま駅長の誕生は社会現象を生み、各地に多くの動物駅長が生まれ、地方鉄道の存続を後押ししてくれるようになりました。
また、たま駅長の活躍は、犬のチワワに始まった犬ブームに押されて存在感が乏しくなった猫の復権に貢献し、猫ブームを世界的に巻き起こしました。

今日の式典に仁坂和歌山県知事、大橋和歌山市長、中村紀の川市長をご来賓に迎えて、こんなに盛大にお祝い出来ることを大変嬉しく思っています。
また、たま駅長の唯一の直属の部下・ニタマ駅長代理も出席して、花束ならぬ花カツオの束をプレゼントし、華を添えてくれました。

tamahanko

スーパー駅長 たまヒストリー

2006 年 4 月 1 日、和歌山電鐵貴志川線として開業セレモニーを開催した当日、貴志駅隣 の小山商店さんに飼われていたたま達猫の小屋が、公道に置いてあるために、役所から立 ち退きを命じられました。

飼い主の小山さんが、小嶋光信社長に直接頼むしかないと、セレモニーの終了で帰りか けた社長を追いかけて来て、「社長さん、社長さん、たま達の住むところが無くなるので、 駅舎の中に置いてもらえませんか?」と頼みました。「たまは三毛猫でオスなら300万 だしてもほしいといわれる人がいます。たまはメスですが、100万くらいの価値があり ます。」と小山さんの必死の説明に、社長は相当お困りのようだと思い、たまに会ってみ ることにしました。

何とかしてあげなくてはと思いながらたまと初対面、目が合った瞬間にたまの駅長姿が 目に浮かびました。そして、たまが「私駅長やります」と目で訴えて自己申告したと感じ て、犬好きだった社長もたまの立派な猫ぶりに心を打たれました。 「駅舎の中においてあげるけど、ただおいてあげるわけにいかないので社員として働いて もらおうかな」「えっ!働くって?」「駅長さんをやってもらいましょう」「猫ですけど、 何をすればいいのでしょう」「何にもしなくてそこにいてくれればいいよ」と言うことで、 頼まれたその日に駅長就任人事が決定しました。

そして 2007 年 1 月 5 日、社長自らたまに貴志駅長の辞令を発令し、駅長帽を授けました。 ここに民間鉄道で正式に任命された全国初の猫駅長が誕生しました。

経 歴

生年月日 1999年4月29日 性別 ♀(メス)
貴志駅生まれ貴志駅育ち

2007.1.5日本初 民営鉄道会社猫の駅長 たま駅長就任
2007.4.1社長特別賞「スーパー駅長賞」受賞
2007.12.4両備グループトップランナー賞「客招き」部門 受賞
2008.1.5スーパー駅長に昇格(課長職)
2008.10.28和歌山県知事より、第 1 号和歌山県勲功爵(わかやまでナイト) の称号を拝受、たま卿となる
2009.1.3執行役員に就任(両備グループ 50 社でも異例のスピード出世)
2011.1.5常務執行役員 和歌山県国際観光客招き担当 に就任 和歌山県知事より、和歌山県客まねき大明神を拝命
2012.1.5駅長就任5周年を記念してたま駅長に部下誕生 部下の「ニタマ」が、
たま駅長の公休日の日曜日などに貴志駅長 代理を務めることになる
2013.1.5数々の業績により社長代理に任命される

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